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福島に生まれ青森に育つ。18歳で画家を志し上京。紆余曲折の末、50歳にして画業に専念。油彩&水彩の風景画・人物画に日々取り組んでいます 。 facebookもよろしく→https://www.facebook.com/tarutana カテゴリ
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田山花袋と棚倉町
一昨日の産経新聞「産経抄」で、翌日の文化の日にちなんで田山花袋の『田舎教師』の一場面を紹介していました。小説は明治の物語でありますが、11月3日は天長節、つまり明治天皇の誕生日で、村中の人々が一日中お祝い行事を楽しむ様子が描かれています。
大正時代になって11月3日は平日に戻りましたが、昭和2年に「明治天皇やその時代をしのぶ日がほしい」という声が強まり、「明治節」として復活したそうです。そして戦後、GHQの意向で「文化の日」として定着しました。 今、文化の日が元々天長節、明治節であったことを知っている人がどれだけいるのであろう、と遠き明治という時代を偲んだのであります。 さて、私は田山花袋に特別な思いがあります。もちろん小説も愛読していますが、花袋は私の出生地である福島県東白川郡棚倉町と深い縁があるのです。 花袋は青年時代に東白川郡長だった姉婿との関係で棚倉を何度か訪れています。そして、小説『ある訪問』や短歌集『棚倉百勝詠歌』に棚倉での見聞を残しました。棚倉の美しい情景や人々との出会いは、花袋に深い印象を与えたのでしょう。 2年前に私が棚倉町を訪れた際、市川屋旅館という宿に泊まったのですが、花袋は「棚倉百勝詠歌」の中で、春は桜、夏は蛍、秋は紅葉で賑わったお休み処市川屋周辺にまつわる歌をいくつか詠んでいるのでした。 市川屋旅館 この旅館前の参道を入り、長い石段を登り詰めると「宇迦神社」があります。現在の社殿は元禄14年(1701年)棚倉城主内藤弌信公の再建によるもので、秋祭りや初詣には多くの人々で賑わうまさに「町の鎮守の神様」なのです。 私が訪れた時は誰一人いない静かな佇まいでした。花袋も長い長い石段を登ってここで「ふぅ〜」と一息ついたのだろうと楽しい想像を巡らせました。 そして昨日の「文化の日」、明治と花袋と棚倉町を思いながら宇迦神社を描いたのであります。。。。 作品『宇迦神社』 水彩・A4(27×20cm)※画像をクリックすると拡大します
by Patch_It_Up
| 2011-11-04 20:24
| 棚倉名所図会
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Comments(2)
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desire_san at 2011-11-07 06:18
こんにちは、
田山花袋は、確か、柳田國男、国木田独歩、島崎藤村などの影響を受けた作家と記憶しており、私は学生時代に『蒲団』という小説を読みました。そのリアリズム的な表現に感銘を受けたのを覚えています。 田山花袋が福島県東白川郡棚倉町と縁の深い作家であることは初めて知りました。 田山花袋と棚倉町を思いながら描いた宇迦神社の絵を、感慨深く味あわせていただきました。 私は、江戸時代幕末に大胆な構図と鮮烈で絶妙な配色の色彩で一世を風靡した歌川国芳の世界にバレリーナが躍るような新鮮な演出のバレエの舞台を見ました。ブログに紹介いたしましたので、ご意見など賜れると嬉しいです。
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Patch_It_Up at 2011-11-11 22:51
> desireさん、コメントありがとうございます。
花袋は自然派といわれた作家、私も言うなれば自然はの画家ですね(笑)。 思い掛けず棚倉と縁があった花袋、50年振りに訪れた棚倉で知り合った若い女性に「蒲団」的な恋を期待したバカな私でありました(笑)。そんな思いが絵に表れているかも知れませんね。 ゆっくり御ブログに感想を述べさせていただきます。
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