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福島に生まれ青森に育つ。18歳で画家を志し上京。紆余曲折の末、50歳にして画業に専念。油彩&水彩の風景画・人物画に日々取り組んでいます 。 facebookもよろしく→https://www.facebook.com/tarutana カテゴリ
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フェルメール「真珠の耳飾りの少女」を描く
『模写・真珠の耳飾りの少女』油彩・F4(24.2×33.4cm)※画像クリックで拡大
勅使河原 純 氏の「アンリ・ルソーにみるアートフルな暮らし」という本を読んでいます。想像していた内容と少し違って、主にリタイアする人達に絵を描いたりアートに触れる生活を、ルソーの生き方に準えて勧めるといった内容です。 考えてみれば、私は勤め先によっては定年を迎える年齢でして、本書は何かと参考になる部分、「いやいや俺は違うぞ」という部分もありで複雑な気持ちで読んでいます。 それはそれとして、本書にルソーに関する興味深いエピソードを見つけました。美術教育を受けたことがなかったルソーは、どのようにして絵を学んだのか…。 ある日、ルソーは近所に引っ越してきたフェリックス=オーギュスト・クレマンという人物の噂を聞き、彼の家へ足繁く通う。クレマンはリヨンの美術学校の校長を務めたパリ画壇の重鎮的存在なのだが、心良くルソーに接し、ルーブル等の美術館での模写の許可証をとってやる。大喜びのルソーはルーブルでの名画の模写に没頭するのである。これがルソーにとって初めての絵の勉強だったのである。ルソー、時に40歳。 ルソーは美術館の名画のみならず雑誌のイラストや写真を模写することによって絵を学んでゆきます。それらを頭の中でコラージュすることによって、あの独特の世界を生み出したのでした。 同じく美術教育を受けていない私も、ほぼルソーと同じ発想で絵を描いていると言えます。ただ、私は名画の本格的な模写をしたことがありませんでした。ではここでひとつ模写に取り組んでみようと思った次第なのであります。 何を模写してみようか…、どうせなら人気があって難しい課題が良い。そして、昨今大人気のフェルメールしかないと決めたのです。ちょうど上野に「真珠の耳飾りの少女」が来日中。しかしルソーのように美術館でイーゼルを立てる訳にゆかず、やむなく画集やネットの画像を分析しながら模写を開始しました。 予想通り、少女の微妙な表情は難解でした。フェルメール・ブルーと呼ばれるターバンの青は、ラピスラズリという宝石から作った大変高価な絵具によって描かれているのですが、そのような絵具が入手できる訳もなくウルトラマリンをベースに私なりに再現してみました。 出来る限り忠実に模写しようと苦闘しましたが、やはり微妙に個性が出てしまうものですね。しかし、作品として満足のゆく仕上がりになりました。非常に疲れましたが、フェルメールの仕事を辿る芸術的散策は実に楽しいものでした。そして、今後の肖像画制作の仕事にも非常に役立つ創作でありました。 完成後、額装して飾ってみました。部屋にフェルメールがあるというのも実に良いものですね。 ちなみに、絵画の著作権の保護期間は作者の存命中および死後50年間なのだそうで、フェルメール作品は誰でも自由に描ける訳です。 この作品、ネットオークションにでも出品してみようかと思うのであります。。。。
by Patch_It_Up
| 2012-07-17 01:56
| 人物画
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