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福島に生まれ青森に育つ。18歳で画家を志し上京。紆余曲折の末、50歳にして画業に専念。油彩&水彩の風景画・人物画に日々取り組んでいます 。 facebookもよろしく→https://www.facebook.com/tarutana カテゴリ
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映画『マーガレット(Margaret)』を観る
2011年公開、マット・デイモンやジャン・レノが出演し、各映画賞でノミネートや受賞をしているにもかかわらず、日本未公開の米国映画である。2005年に撮影が完了したが、監督のケネス・ロナーガンが3時間の上映を主張したのに対し、スタジオ側が150分以内を要求、マーティン・スコセッシらに編集を依頼し、起訴問題等を経てようやく2011年に公開された曰く付きの映画である。
ストーリーは単純で、ニューヨークに住む裕福な女子高校生・リサが、自分の責任でバスによる交通事故で初老の女性を死なせてしまう。しかし、彼女は警察に対し女性が信号無視をした不慮の事故であると証言してしまう。そして、その罪悪感に苦しむ…。 映画のタイトル「マーガレット」は登場人物の名前ではなく、「Margaret, are you grieving」で始まる Gerard Manley Hopkins の詩「Spring and Fall : To a Young Child」からなのだそうであるが、私には何のことか分からず…勉強しときます(笑)。 この映画、ネットのユーザーレビューを読むと、ことごとく評価が低い。しかし、私には最近の米国映画にしては稀な秀作であった。どうもハリウッド・エンタテインメントに毒されてしまった人達にはキツい映画だったのであろう。特にマット・デイモン目当てで観たお嬢ちゃんは「こんな役は彼でなくても良かったのに!」と憤慨している程だ(笑)。 さて、この映画の登場人物は一人として「正しく強い人間」がいない。高校教師役のマット・デイモンにしても、てっきり苦悩する教え子のリサの心の支えとなるのであろうと思いきや・・・。リサの母親の恋人になるジャン・レノも、てっきりギスギスした母子の関係を癒す存在になると思いきや・・・。チョイ役にスター俳優を起用した監督の意図に唸らざるを得ないのである。 映画の登場人物たちは、バスの運転手以外ほとんどが富裕層である。生活に追われることなく老若男女が自由奔放に生きている。そのようなニューヨーカーの生活にあって、リサは正義感に目覚めてゆく。リサ役のアンナ・パキンの演技を過剰と批判する者もいるが、混沌の中で正義に目覚めてゆく少女の心情を考えれば、過剰さは足りないくらいである。しかし、その正義感によってバス運転手家族の生活が脅かされる…といった重苦しさも観る者に伝わってくるのだ。 この映画は音楽が実に良い。オープニングで流れる「アルハンブラの思い出」。耳慣れた楽曲であるが、映画全体の抑揚を象徴しているかのようで、観終わってからも耳から離れない。そしてラストシーン、リサと母親がいるオペラ劇場で朗々と歌い上げられる「ホフマンの舟歌」。泣けました…。 私の感想としては、金があれば幸せとは限らない、家族の気持ちが繋がっていることこそが幸せなのだな、ということでありました。。。。
by Patch_It_Up
| 2013-09-22 02:28
| 本・映画・音楽
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