お部屋に絵を飾りましょう
by 棚倉樽
ご挨拶
福島に生まれ青森に育つ。18歳で画家を志し上京。紆余曲折の末、50歳にして画業に専念。油彩&水彩の風景画・人物画に日々取り組んでいます 。
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第二章・ 九『わたつみのいろこの宮』

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Graphic saga "Kojiki"

Chapter 2 #9. “The palace on the seafloor”

30×17cmCanson Figueras canvas paper-oil painting

From Japan's oldest history book "Kojiki" (712).

Children of Ninigi and Sakuyabime, “Hoderi” became a fisherman, “Hoori” became a hunter of the mountains. One day, Hoori borrowed a fishing tool of his big brother Hoderi. Hoori who was only doing mountain work, he wanted to fishing once in a while. Hoori could not catch a fish, and he lost Hoderi 's fishing hook. Hoderi was angry and told to Hoori "Please return my hook."

Hoori broke his sword and made a thousand fishing hooks and handed it to Hoderi. But Hoderi did not allow Hoori, he said to Hoori "Please return my hook!.”

Hoori wept at the beach. At that time the Deity of waves appeared. The Deity of waves gave a bamboo boat to Hoori. The Deity of waves said to Hoori, "Ride this boat and go to the seafloor palace where there is a daughter of the sea Deity, she will help you."

Hoori went to the palace at the seafloor. In front of the gate of the palace there was a daughter of the sea Deity "Toyotamabime" and her maid. Hoori handed one piece of jewelry to the maid and said, 'Please give this to the princess'. The maid handed the jewel to Toyotamabime. Then Toyotamabime returned a smile to Hoori. Hoori and Toyotamabime fell in love soon. The Deity of the sea soon forgiven their marriage.

In this way, Hoori forgot about Hoderi's fishing hook and lived in the palace at the ocean floor for three years...

 邇邇芸命(ニニギノミコト)と木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)の間に生まれた子のうち、火照命(ホデリノミコト)は海で漁をする海佐知毘古(ウミサチビコ)となり、火遠理命(ホオリノミコト)は山で狩りをする山佐知毘古(ヤマサチビコ)となった。ある日、ホオリは兄のホデリに「わたしも釣りをしてみたいので、釣り道具を貸して欲しい」と申した。嫌がるホデリから無理やり釣り道具を借りて釣りをしてみたホオリであったが、全く魚は釣れず、しかも釣り針をなくしてしまった。怒る兄にホオリは自分の剣を砕いて千本もの釣り針を作って返したが、兄は許さず「あの釣り針を返せ」と突き返した。

 海辺でホオリは泣き崩れた。すると、潮の流れを司る神、塩権神(シオツチノカミ)が現れ、「助けてあげましょう」と言って、その場で竹籠の小舟を作った。そして、「この舟に乗って潮の道を行くと、やがて魚のウロコのように光る海の神「綿津見神(ワタツミノカミ)」の御殿に辿り着きます。その御殿の門のそばに神聖な桂の木があって、その木の上に座っていればワタツミの娘が現れて良い策を授けてくれることでしょう」と申された。

 ホオリが竹籠の小舟に乗って潮の流れに任せていると、シオツチが言った通り海中に光る御殿が見えた。そして、舟を降りて桂の木の上に座っていると、まもなく女が器を持って現れた。「あなたはワタツミの娘か」とホオリが尋ねると、驚いた女は、「いいえ、私は豊玉毘売(トヨタマビメ)の侍女でございます。湧き水を汲みに参りました」と答えた。ホオリは自分の首飾りの玉を一つ取り侍女の持つ器に落とし入れた。

 侍女はトヨタマビメの元へ行き、「美しい男が姫様へ会いに来たようです」とホオリの玉を渡した。トヨタマビメは木のたもとにいるホオリを見つけ微笑みを送った。ホオリはその美しさに瞬時に心奪われるのであった。

 その様子を門の内から見ていたワタツミは、「あなたはニニギノミコトの御子、ホオリノミコトですね」と見抜き、御殿へ招き入れ直ぐさま娘との結婚の儀を執り行った。

 こうして、ホオリはホデリの釣り針のことも忘れ、三年もの間「綿津見の鱗の宮殿(わたつみのいろこの宮)」で暮らしたのであります


 本章の逸話は、昔話「浦島太郎」の原形と言われています。綿津見の宮殿は「竜宮城」、トヨタマビメは「乙姫」、そして浦島太郎は玉手箱を持って陸に帰りますが、ホオリも意味合いの違う土産を持って陸に帰ります(この顛末は次章にて)

 さて、古事記本文を読むと、綿津見の宮殿が竜宮城のように海底に建ってあるとは必ずしも認められず、海の彼方の島にある宮殿と考えるのが常識でしょう。ホオリが桂の木の上に座る、侍女が井戸に水を汲みに行く、とは海中である訳がなく、しかもホオリは三年も宮殿で過ごすのですから。

 しかし、私が敬愛する明治の天才画家・青木繁が、ホオリとトヨタマビメの出会いの場面を描いた有名な『わだつみのいろこの宮』は、青木本人が「海中の絵を描きたかった」と言っており、夏目漱石も小説『それから』の中で「青木といふ画家が海の底に立つている背の高い女を画いた」と書いています。このことから私も予てより海中での逸話と思い込んでいて、本章を創作するにあたり少々の迷いがありましたが、青木と漱石へのオマージュも込めて、海底での物語とした次第であります。。。。


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by Patch_It_Up | 2018-03-12 10:10 | 古事記・絵物語 | Comments(0)
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