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福島に生まれ青森に育つ。18歳で画家を志し上京。紆余曲折の末、50歳にして画業に専念。油彩&水彩の風景画・人物画に日々取り組んでいます 。 facebookもよろしく→https://www.facebook.com/tarutana カテゴリ
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鏑木清方、幻の出世作の下絵 (国立近代美術館にて)I saw a wonderful sketch at the National Museum of Modern Art, Tokyo. 久々に竹芝の東京国立近代美術館へ行く。開催中の陶芸展の招待券があったので出掛けたのであるが、陶芸には全く知識のない私、かなりの名品揃いにもかかわらず失礼ながらほぼスルーして常設展へ。 ここと上野の西洋美術館の常設展示は、私にとっての学び舎である。常設といっても定期的に作品の入れ替えがあり、行く度に新たな感動がある。洋画専門の西洋美術館に対し、近代美術館は日本画の展示が充実しており、その美しさ、幽玄さにはいつも心を奪われる。 今回も、杉山寧(すぎやまやすし)作の『磯』など、素晴らしい作品に出会えた。その中でも驚嘆したのが、鏑木清方(かぶらききよかた)の素描であった。ショーケースの中で目立たないように展示されていたその絵は、ほとんどの来館者にスルーされていたが、私は見入ってしまった。 鏑木清方は、上村松園、伊東深水と並び称される近代日本の浮世絵・日本画の大家であるが、そのキャリアのスタートは挿絵画家で、明治43年(1910)に第四回文展(日展の前身)で三等一席を受賞したのを機に本格的に日本画に取り組んでいった。その記念碑的作品は、江戸初期の「女歌舞伎」を題材にしたもので、舞台裏の様子を六曲一双の屏風に描いた大作であった。 鏑木の「女歌舞伎」は残念にも関東大震災で焼失してしまい、幻の名作になってしまいました。その下絵二点が今回展示されていたのです。ざっと調べても屏風絵の写真等は残っていないようなので、この下絵でしか本作を偲ぶしかないのであります。 下絵は、一点は楽屋でくつろぐ役者たちを生き生きと描いた絵で、もう一点は出番を待つ主役の緊張感漂う絵です。六曲一双とは左右二枚の絵を一組とした作品なので、下絵も当然二点ある訳です。 さて、私は下絵を見れば見るほど背筋に汗が滴る思いに駆られたのであります。二つの絵の中心にいる女歌舞伎役者は、六年前の東日本大震災を機に私が描いた遊女歌舞伎のスター『采女』に他ならないのではないか。舞台に立つ前の姿で関東大震災の炎に焼かれた鏑木の采女の魂が、100年の時を経て晴れ姿を私に描かせたのではないか…。 「んな、大げさな」と言わんでくださいな。。。。 作品『采女』の詳細はこちら→http://tarutana.exblog.jp/12906466/
by Patch_It_Up
| 2017-04-30 17:15
| 美術見聞録
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