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お部屋に絵を飾りましょう
by 棚倉樽
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福島に生まれ青森に育つ。18歳で画家を志し上京。紆余曲折の末、50歳にして画業に専念。油彩&水彩の風景画・人物画に日々取り組んでいます 。
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第四章・ 六『神功皇后出兵』

第四章・ 六『神功皇后出兵』_a0146758_09514619.jpg

Graphic saga "Kojiki"

Chapter 4 #6. “The Shogun Empress”

30×17cmCanson Figueras canvas paper-oil painting

From Japan's oldest history book "Kojiki" (712).

Yamato-Takeru 's younger brother became the thirteenth emperor, but he did not have a prince. Therefore, the son of Yamato-Takeru became the fourteenth Emperor "Chuai-Tenno".

At that time, the Kyushu clan's "Kumaso" revived the power. Chuai-Tenno went to the shrine and prayed to beat Kumaso. Then the god transferred to the Empress "Jingu-Kougou". She spoke the word of God to Emperor, "You go to west and you will uniforming the country ’Shiragi’ on the Korean Peninsula." The Emperor said, "Even if I go to the west there is only the sea, God is lying." God who heard it got very angry and gave a curse to the Emperor. Suddenly the Emperor fainted and died.

Jingu-Kougou made immediate funeral of the Emperor. At that time, she also heard the voice of God. God said, "You must conquer Siragi, and make your son the next emperor of Yamato country". Jingu-Kougou asked God, "Who are you?" God answered, "I am the sun goddess, Amaterasu."

Jingu-Kougou was pregnant with the Emperor's baby. However, she decided to obey Amaterasu's orders and organized an army. And she herself became a general and aimed at Shiragi. Shogun Jingu-Kougou' warships took over the big wave and the great wind and rushed to the center of the land of Shiragi. The king of Shiragi was surprised, and surrendered immediately. Also surrendered Shiragi's neighbor country 'Kudara'.

The winning Jingu-Kougou returned to Kyushu. She gave birth to a baby in Fukuoka. This baby boy was named "Homudawake". Jingu-Kougou took Homudawake and prepared to return home to Yamato country. However, in Yamato country there was a person who plotted to assassinate Homudawake and to become the next Emperor…

 第十二代景行天皇が崩御され、倭建命(ヤマトタケル)の弟君、若帯日子命(ワカタラシヒコ)が第十三代成務天皇となられた。成務天皇のただ一人の御子は若くして亡くなり、次代にはヤマトタケルの御子である帯中津日子命(タラシナカツヒコ)が即位された。第十四代仲哀(ちゅうあい)天皇である。

 仲哀天皇が天下をお納めになっている時、かつてヤマトタケルが征伐した南九州の熊襲の残党が勢力を復活させていた。天皇は、大后(おおきさき)である神功(じんぐう)皇后を伴い筑紫国の香椎宮(かしいのみや=福岡市・かしいぐう)で熊襲討伐を宣誓なさった。その時、神功皇后が神に憑依された。

 皇后は、「西の彼方に宝の国がある。そなたにその国を与えよう」と神の言葉を天皇にお告げになった。しかし天皇は、「西には大海が続くだけで国などない。この神は偽りを申しているのだ」と仰せになった。神は大変お怒りになり、「お前は天下を治める器ではない、さっさと黄泉の国へ行け」と告げられた。そばにいた忠臣の建内宿禰(タケノウチノスクネ)は、「畏れ多いことでございます。どうかこの琴をお弾きになって神の怒りをお鎮めください」と申し上げた。天皇はしぶしぶ琴を弾き始めた。しばらく演奏していたが、突然天皇は突っ伏した。タケノウチノスクネが首の脈をとると、天皇は息絶えておられた。神の呪いに驚き恐れた宮中の人々は、直ちに天皇の亡骸を殯宮(もがりのみや=遺体安置所)に移し、穢れを祓う大掛かりな儀式を催した。

 タケノウチノスクネは祭場で神の言葉を求めた。神は、「お前たちが西の国を制圧しなければ天下は平穏にならない。平定したならば、大后が産む皇子に天下を治めさせよ。これは天照大神(アマテラス)の御心である」とお告げになった。天皇の子を身籠っていた神功皇后はアマテラスの御心に従い、自ら兵を率いて西の国=新羅(しらぎ)を目指すことにした。

 身重の皇后は船団の先頭に立ち、陣頭指揮をとった。皇后は遠征中、石を当てて腹を冷やし出産を遅らせたという。船団は大波、大風を味方にして一気に新羅の陸地の中心まで突進した。新羅の国王はその勢いに驚き、直ちに降伏した。神功皇后は続いて隣国の百済(くだら)も平定し、新羅の宮殿に神聖なる杖を納め同盟を結んだ。

 神功皇后軍は九州に帰還。皇后は筑紫国の宇美(福岡県宇美町)で、御子「品陀和気命(ホムダワケ)」をお産みになった。ゆえにこの地を宇美(福岡県宇美町)というのである。

 アマテラスのお告げ通り皇子を産んだ皇后は、いよいよ大和国へ凱旋する準備をした。しかし大和国では、神功皇后の皇子の腹違いの二人の兄、香坂王(カグサカノミコ)と忍熊王(オシクマノミコ)が皇子殺害の計画を立てていた。ご譲位がなされず皇后も不在の混乱に乗じての謀反である


 古事記には神功皇后の先祖が新羅の王子「アメノヒボコ」であるとの記述がある。しかし、これは神功皇后の朝鮮半島平定を正当化するために作られた奇想天外な逸話である。これをもって、我が国の皇室と朝鮮民族との繋がりを信じる輩がいるが、そもそも古事記、日本書紀を意味のない戯言と中傷しているそのような反日分子が、都合の良い部分だけを史実として主張するのは笑止千万なのであります・・・。


 数年前、とあるBARのカウンターで一人飲んでいると、隣に座る見知らぬ二人の客の会話が耳に届いた。六十代前半(A)と七十代半ば(B)と思しきいわゆる団塊の世代の二人。背広姿のそれなりの身分のオッサンたちだ。

どうせ天皇家なんてのは朝鮮人の血が混じってんだからな」とB

「そうそう、古事記にもハッキリ書いていますからね」とA

「なーにが国の象徴だってんだよ、天皇制なんて今更必要ないだろ」とB

そこで私は二人に尋ねた、「そうなんですか、古事記にそんなことが書いているのですか」

「俺は古事記なんて読んだことないけど、昔からそうだって言われているみたいだよ」とA

「そうそう、俺も古事記なんて読んでる暇はなかったけれど、何代目かの皇后が朝鮮人だったってのはホントだよ」とB

「ふーん、それは多くの日本人は知らないと思うけどなあ」と私。

「それは今の日本人が勉強不足なだけだよ、あはは」とA

なんだかムカついて、それ以上の会話は止めた。その二人も、朝青龍引退の話題に移っていた「モンゴル人なんかを横綱にさせっからこういうことになるんだよな」。こいつらの思考はどこに向かっているのだろうか・・・。


 この夜の出来事が、私に古事記を再読・熟考させるキッカケをくれた。古事記を読んだこともないあの二人が、本章の神功皇后のことを言っていたのだろうと直ぐに分かったが、私より目上の人間が軽々に皇室に対する不敬な発言をしていたことに無性に腹が立った。

 それ以降も世代を問わず、「日本文化ってのは中国や朝鮮の模倣なんだよな、日本古来の文化なんてひとつもありゃしない」とか「古事記を語る奴って頭の弱い右翼だけ」とか「皇室って税金の無駄使いだろ」などとほざく輩に数多く出会った。あるインテリぶった女子大生なんぞは、天の岩戸開きやヤマタノオロチ退治の話さえ知らなかった。それどころか、「それって知らないと何か不利益を被るのですか?」と逆ギレされる始末(笑)。「これは如何なものか!」と取り組んだのが、この古事記・絵物語なのであります。。。。


by Patch_It_Up | 2018-05-22 09:54 | 古事記・絵物語 | Comments(0)
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